新型コロナ感染症の流行時期はインフルエンザ含め新型コロナウイルス感染以外の感染がなぜか激減しておりましたが この1年ほど新型コロナウイルス感染症の流行前のようにそのほかの感染症が増加しております。特に最近多いのは咳を強く生じるタイプのウイルス感染症の感染を契機に咳が長期間(場合により2か月ほど)持続し受診されるケースが激増しております。多くのばあい こんなにせきが続いたことがないという訴えで受診されます。
このような場合の多くは気管支中心に悪さをする感染後に延々と持続する咳がほとんどです。代表的なものには新型コロナウイルス インフルエンザ RSウイルス ヒトメタニュウモウイルス マイコプラズマなどの感染に伴うものがありますが、最近はいずれも検査に引っかからない特定不能な病原体にによるものが特に多く発生しております。小児(特に未就学児)の間で流行するウイルス感染をもらってしまいそこからせきが長引くようです。直接小児と接点がなくても 小児から感染した成人が近くにいてそこから感染するケースも多いです。 特徴は このようなウイルス(検出されないことが多いため正体不明が多いです)感染後気管支上皮粘膜のダメージが起こり、引き続き気管支が敏感になる、またダメージを受けているため 咳や痰が持続するなどが原因です。医学的に言うと気道過敏性の亢進が併発される状態です。一般的には感染後咳嗽と言います。場合により咳喘息化という言い方もできます。一般的な 純粋な気管支喘息とは異なるものです。
治療は 必要な病歴聴取や必要な検査により原因をしっかり見極め 上記の病状と判断される場合 せき止め 去痰剤 場合により抗生剤 に加え 気管支の敏感な状態を改善するべく喘息(内服薬、吸入薬)に対する治療を併用することがあります。
このような方々から 喘息ではないかと心配されるケースが多いです 過去に明らかに喘息の診断を受けていたり 同じような症状を過去(直近)に繰り返している場合以外はほぼ純粋な喘息ではないことがほとんどです(もちろん例外はあります)。
咳が数週にわたり持続すると初期に感染症状があったこと 周囲でも同じような症状の方がいたことを忘れておられる、また身近に子さんがいないなど(その場合は乳幼児から感染した大人が近くにいてその方から感染すというケースも少なくありません)もありますが 多くの場合は このようなケースとなります。
純粋な喘息は非常に少ないと思ってよいと思われます。
状態に応じて 対応しておりますので 長引く咳などでお困りの場合 一度ご相談ください。 咳の激しい場合感染性の場合もあります。当院の待合では 高齢の方、抵抗力のない方々もおられますので 必ずマスク着用で受診ください。また他の医療機関へ受診して投薬を受けた場合お薬手帳など内容のわかるものを持参下さい。確認できない場合効果のなかった薬が再度投薬される可能性がありますのでご協力ください。
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